プログラミング教育(小学生、中学生、高校生)についてまとめてみる

子育て

学習指導要領の改訂に伴い2020年度の小学校での教育を皮切りに、中学校(2021年度)、高等学校(2022年度)から本格的にプログラミング教育が開始されます。
二人の子供を持つ親として、ITに従事する人間として整理するためにもまとめてみました。

なぜ今プログラミング教育なの?~背景を理解する~

学習指導要領の改訂

みなさん学習指導要領という言葉を聞いたことがありますか?

学習指導要領とは、文部科学省が定める教育機関(小学校、中学校、高等学校)に対する教育課程の基準です。簡単に言うと、学校ではこんなことを教えてくださいという指針を国が示しています。

この学習指導要領ですが、約10年に1回の頻度でその時の社会情勢や教育に求められる内容を反映し、要領が改訂されます。

学習指導要領改訂の背景

今回の改訂の背景は以下のとおりです。

今日の社会は,生活のあらゆる場面で ICT を活用することが当たり前の世の中となって
いる。さらに,人工知能(AI),ビッグデータ,IoT(Internet of Things),ロボティクス等
の先端技術が高度化してあらゆる産業や社会生活に取り入れられ,社会の在り方そのもの
が劇的に変わる「Society5.0」時代の到来が予想されている。

https://www.mext.go.jp/content/20200622-mxt_jogai01-000003284_001.pdf

なぜ今プログラミング教育なの?~背景まとめ~

A:なぜ今プログラミング教育なの?背景は?

Q:学習指導要領の改訂に伴い、社会における情報化の急速な進展と教育の情報化に対応することが示されたため。

なぜ今プログラミング教育なの?~目的を理解する~

学習指導要領の改訂のポイントを理解する

今回の新学習指導要領への思いが文部科学省から以下のように提示されています。

学校で学んだことが、子供たちの「生きる力」となって、
明日に、そしてその先の人生につながってほしい。
これからの社会が、どんなに変化して予測困難になっても、
自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、
それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。
そして、明るい未来を、共に創っていきたい。

https://www.mext.go.jp/content/1413516_001_1.pdf

テクノロジーによる変化や気候変動によって予測困難な社会になっています。

その中でも自らが考え、行動できるような人間を作っていくことが大きな目的なんですね。

文部科学省から新学習指導要領についてリーフレットが発行されています。

ポイントがまとめられているのでご覧いただいても良いと思います。

https://www.mext.go.jp/content/1413516_001_1.pdf

何を目的にプログラミング教育を行うの?

同じく以下の内容が文部科学省から提示されています。

プログラミング教育
コンピュータがプログラムに
よって動き、社会で
活用されていることを
体験し、学習します。

https://www.mext.go.jp/content/1413516_001_1.pdf

今やコンピューター無しでは成り立たない世界になっています。ふとしたところにコンピューターは存在しており、日常生活に欠かせないものとなっています。

また、手引きでは以下の点に触れています。

情報や情報技術を
受け身で捉えるのではなく,主体的に選択し活用していく力が求められる。

https://www.mext.go.jp/content/20200608-mxt_jogai01-000003284_002.pdf

私も日ごろからエンジニアとして情報や情報技術に接していますが、情報や情報技術を受け身で捉えていても新しいものは何も生み出せません。

まさに、主体的に選択し、活用していく力が求められています。

また、手引きではリテラシーにも触れています。

一方で,スマートフォンやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が急
速に普及し,その利用も低年齢化する中,これらの利用を巡るトラブルなども増大し
ており,子供たちには,情報や情報技術を適切かつ安全に活用していくための情報モ
ラルも身に付けさせていく必要がある。

https://www.mext.go.jp/content/20200608-mxt_jogai01-000003284_002.pdf

私も子育てをしている中で子供の情報技術へ触れる年齢がどんどん下がっていることを実感しています。そこには当然不適切なコンテンツや、様々な誘惑が存在しています。

かと言って、これらもシャットアウトするのでは利活用への道は切り開けないので、情報技術へ触れることを前提に家庭内でも情報技術への触れ方を指南しているところです。

なぜ今プログラミング教育なの?~目的まとめ~

Q:なぜ今プログラミング教育なの?目的は?

A:予測困難な社会でも自らが考え、行動できるような人間を作っていく
そのために、情報や情報技術を受け身で捉えるのではなく,主体的に選択し活用していく力を身に付ける。
また、情報や情報技術を適切かつ安全に活用していくための情報モラルも身に付ける。

なぜ今プログラミング教育なの?~具体的な内容を理解する~

小学校でやること

教科としてプログラミングが新設されるわけではありません。

手引きには小学校でのプログラミング教育への目的として以下の記載があります。

①「プログラミング的思考」を育むこと

②プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと

③各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、各教科等での学びをより確実なものとすること

※強調箇所は筆者追記

https://www.mext.go.jp/content/20200218-mxt_jogai02-100003171_002.pdf

上記目的に即して具体的に実施することを解説します。

①のプログラミング的思考については別記事で解説します。

②は身の回りの実社会がコンピューターで成り立っていることに気づくことと、コンピューターを活用して課題解決ができることに気づくことです。例えば地域社会の課題を発見し、そられをコンピューターを使って解決方法を示したり、自動車を構成している技術である自動ブレーキやセンサーなどがコンピューターで制御されていることを学びます。

③はプログラミングを使用して図形を作図したり、センサーを使用して、電気の制御をプログラミングで実施したりなどをすることです。

具体的に何をするのかは各学校に任せられており、何年生から何をやりましょうというのは具体的には決まっておりません。なので、各学校の判断によりカリキュラムが作成され、授業の中で実施していくこととなります。

具体的にな取り組みは以下によくまとまっています。

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中学校(2021年度開始)でやること

技術・家庭科(技術分野)の中でプログラミングに係る教育を実施していきます。

手引きには中学校でのプログラミング教育への目的として以下の記載があります。

プログラミング的思考の育成だけではない。「技術を評価,選択,管理・運用,改良,応用することによって,よりよい生活や持続可能な社会を構築する資質・能力」の育成を目指している

https://www.mext.go.jp/content/20200403-mxt_jogai01-000006333_001.pdf

思考から発展し、コンピューターを利用した社会生活を向上させる力を育むことをしているようです。

詳細は追い追いまとめていきます。

高等学校(2022年度開始)でやること

「情報Ⅰ」に加え、選択科目「情報Ⅱ」を開設し、プログラミング教育を実施していきます。

同じく追い追いまとめていきます。

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